1993年にアメリカで公開された映画「Groundhog Day(邦題:恋はデジャ・ブ)」は、主演ビル・マーレイの小気味よい演技がひかる、監督・脚本ハロルド・ライミス、原案・脚本ダニー・ルービンによる傑作コメディです。公開後大ヒットを記録し、90年代で最も優れたコメディ映画のひとつとして、今も世界中の映画ファンに愛され続けています。公開から約20年後にミュージカル化が計画され、2016年夏にロンドンのオールド・ヴィック劇場で世界初演、その後2017年春からニューヨークのブロードウェイでも上演されました。キャストのパフォーマンスはもちろん、スピード感あふれる演出やアイディアに富んだ舞台装置など迫力満点のステージは、大勢の観客を魅了し、2017年のローレンス・オリヴィエ賞で「最優秀新作ミュージカル賞」と「ミュージカル部門主演男優賞」を受賞。さらに同年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む7部門へのノミネートを果たしました。
アメリカ・ペンシルベニア州の小さな田舎町で、毎年2月2日に行われる平凡なお祭りの日「グラウンドホッグ・デー」を永遠に繰り返すことになった天気予報士のフィル。何度目覚めても退屈な中継の日…。
タイムループに嫌気がさしながらも、心から望むことを手に入れるために同じ日を生きることを利用し、楽しみ始めます。やがて繰り返す日常の中で、フィルの内面にも変化が生まれ、新たな一歩を踏み出すまでを描いたコメディです。
この作品が今年11月、新たに日本版ミュージカルとして生まれ変わります。
演出は、数々のコメディ作品を世に送り出す福田雄一。笑いの奇才が日本初演を手掛けます。
タイムループの中に閉じ込められる主人公・フィルを演じるのは、近年舞台での活躍が目覚ましいWEST.の桐山照史。WEST.のメンバーとして精力的に活動する傍ら、『ブラッドブラザース』(2015)、『アマデウス』(2017)、『マリウス』(2018)、『泣くロミオと怒るジュリエット』(2020)、『赤シャツ』(2021)、『キャメロット』(2023)など数々の舞台に出演。ミュージカルやストレートプレイ、コメディなど幅広く挑戦し続けています。
そして、フィルと共に同じ日を繰り返しながら、彼の心を溶かす存在である、明るく知的なヒロイン・リタを演じるのは、トップ娘役を務めた宝塚歌劇団を退団後ミュージカルを中心に活躍し、舞台『少女都市からの呼び声』にて2024年第31回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞、さらにドラマ「不適切にもほどがある!」に出演するなど、映像にも活動の幅を広げている咲妃みゆ。フィルの高校時代の同級生ネッドを演じるのは、本作でミュージカルに初挑戦となる戸塚純貴。福田作品の常連で、現在放送中の連続テレビ小説「虎に翼」でも話題となるなど幅広く活躍しています。また、フィルと町で出会い一夜限りの遊びを楽しむ女性ナンシーを演じるのは、ミュージカルへのコンスタントな出演に加え、ミュージカル映画「リトル・マーメイド」の日本語吹替版で主人公アリエルの声及び歌唱を担当するなど抜群の歌唱力に定評がある豊原江理佳。さらに、ミュージカルへの出演も多く、多くのジャンルで存在感を示す川久保拓司が、カメラマンのラリーとガスの二役を演じます。
福田雄一が作り出すコメディ・ミュージカルを、豪華キャストの競演によりお届けいたします。どうぞご期待ください!